平成19年 6月 定例会 議事日程平成19年6月26日(火曜日)午前10時開議第1
議案外質問 --------------------------- 出席議員 日比健太郎君 橋本ひろき君 小川としゆき君 中島理恵君 山田昌弘君 おかどめ繁広君 岡本やすひろ君 ちかざわ昌行君 成田たかゆき君 岩本たかひろ君 東郷哲也君 水平かずえ君 藤沢忠将君 田辺雄一君 こんばのぶお君 中村 満君 小林祥子君 丹羽ひろし君 坂野公壽君 前田有一君 くれまつ順子君 かとう典子君 さとう典生君 のりたけ勅仁君 中里高之君 長谷川由美子君 山本久樹君 鎌倉安男君 杉山ひとし君 須原 章君 田中里佳君 梅村邦子君 斎藤まこと君 加藤一登君 渡辺房一君 うかい春美君 梅村麻美子君 吉田隆一君 佐橋典一君 おくむら文洋君 吉田伸五君 諸隈修身君 久野浩平君 中川貴元君 中田ちづこ君 岡本善博君 桜井治幸君 堀場 章君 渡辺義郎君 木下 優君 福田誠治君 ひざわ孝彦君 小島七郎君 江口文雄君 加藤武夫君 横井利明君 岡地邦夫君 浅井日出雄君 斉藤 実君 田口一登君 わしの恵子君 梅原紀美子君 とみた勝ぞう君 荒川直之君 山口清明君 工藤彰三君 小出昭司君 三輪芳裕君 江上博之君 伊神邦彦君 ふじた和秀君 ばばのりこ君 服部将也君 うえぞのふさえ君 林 孝則君
--------------------------- 出席説明員市長 松原武久君 副市長 因田義男君副市長 塚本孝保君 副市長 山田雅雄君会計管理者 杉浦雅樹君 市長室長 近藤 博君総務局長 松永恒裕君 財政局長 林 昭生君市民経済局長 長谷川博樹君 環境局長 加藤正嗣君健康福祉局長 長谷川弘之君
子ども青少年局長 佐合広利君住宅都市局長 尾崎好計君 緑政土木局長 渡辺恭久君会計室次長 加藤博久君
市長室秘書課長 堀崎 亘君
総務局総務課長 丹羽吉彦君
財政局財政部財政課長 杉山 勝君
市民経済局総務課長 佐橋和美君
環境局総務課長 平林幸伸君
健康福祉局総務課長 佐藤良喜君
子ども青少年局総務課長 松本一彦君
住宅都市局総務課長 水谷嘉則君
緑政土木局総務課長 三宅基幸君
---------------------------上下水道局長 西部啓一君
上下水道局総務部総務課長 柴田久司君交通局長 吉井信雄君
交通局営業本部総務部総務課長 鬼頭和男君 ※ ※消防長 田中辰雄君
消防局総務部総務課長 野田和義君
---------------------------監査委員 加藤雄也君 監査事務局長 村木愼一君 ※ ※
選挙管理委員会委員 小寺洋夫君
選挙管理委員会事務局長 日沖 勉君 ※ ※
教育委員会委員長 川村洋司君教育長 岡田 大君
教育委員会事務局総務部総務課長 各務憲一君 ※ ※
人事委員会委員 林 光佑君
人事委員会事務局長 金城直司君
--------------------------- 平成19年6月26日 午前10時5分開議
○議長(梅村邦子君) これより本日の会議を開きます。 本日の会議録署名者には水平かずえさん、こんばのぶおさんの御両名にお願いいたします。 これより日程に入ります。 日程第1「議案外質問」を行います。 最初に、東郷哲也さんにお許しいたします。 〔東郷哲也君登壇〕
◆(東郷哲也君) おはようございます。お許しをいただきましたので、通告に従いまして質問をさせていただきます。 まず、一言ごあいさつさせていただきます。 守山区より今回の選挙で選出されました。先輩の皆様、同僚の議員の皆様、今後ともよろしく御指導のほどお願いを申し上げます。 まず初めに、中学・高校生の
障害児放課後支援について質問をいたします。 私は先日、障害児施設を視察し、障害のある中学生や高校生のお子さんを持つ親御さんと貴重なお話をすることができました。 昨年10月に本格施行された
障害者自立支援法は、身体障害者、知的障害者、精神障害者すべての方を対象に、障害の種別にかかわらず福祉サービスを利用するための仕組みを一元化したもので、障害者の方々が地域で安心して暮らせる社会の実現を目指すものです。しかし、実際には、法律が施行されてからも数々の問題が指摘されていることも事実です。 一方、子育てというのは、恐らくどのような場合であっても、お子さんの成長を見守る大きな楽しみと同時に、一筋縄ではいかないいろいろな壁を乗り越えていかなければならない場面も多かろうと思います。特に、障害のあるお子さんの親御さんは毎日さまざまなことに悩み、不安を感じながら子育てをされていることは想像にかたくありません。 お目にかかった何人かの親御さんがいろんなお話をしてくださった中で、口々に訴えられたことの一つが、学校の終わった後や休日などに親御さん自身が付き添えないときのお子さんたちの過ごし方についてでありました。フルタイムで仕事をしている親御さんであれば、お子さんが帰宅する時間にはまだまだ自宅に帰れないことも多いのです。生活していくために、どうしても仕事をやめるわけにはいかない場合もあります。あるいは、ほかの兄弟がまだ小さくて育児に手がかかる場合もあるでしょう。このようなときに、常に支援を必要とする親子の助けになるのはどんな制度なのでしょうか。 障害のある小学生のお子さんであれば、学校が終わってからは学童保育や
児童デイサービスなどで受け入れてもらうことができます。しかしながら、中学生や高校生のお子さんの場合、安心して過ごせる放課後の居場所がなかなか見つからず、親御さんが日々御苦労されているというのであります。 平成18年5月の学校基本調査によれば、市内において、中学校の特別支援学級に通う生徒は503人、同じく
特別支援学校中等部及び高等部に873人、合わせて1,300人を超える生徒が在籍しております。 もちろん、このお子さんたちの障害の状態は千差万別で、特別な手助けの必要のないお子さんもいれば、かなり重い障害のあるお子さんもおられますから、このお子さんたちすべてがみんな同じように困っているということではないでしょう。それにしても、この中の少なくないお子さんたちが、放課後の居場所がないために、どこへも出かけられずに自宅に閉じこもって生活せざるを得ない状況であるとすれば、何らかの施策が必要なのではないでしょうか。 市が平成17年3月に策定した「なごや 子ども・子育てわくわくプラン」、名古屋市
次世代育成行動計画には、地域での子育て支援と
ネットワークづくりとして、障害児への支援の一つに中学・高校生の
障害児放課後支援事業が明記されています。実際に、平成17年から、この
放課後支援事業が行われているとお聞きしておりますが、先ほどお話ししたような親御さんの状況からすれば、この事業が必ずしもうまく機能していないということではないでしょうか。 障害のある中学生や高校生のお子さんたちが下校後も安心して過ごせる居場所の確保が必要であると考えますが、市としては、現行の中学・高校生の
放課後支援事業についてどのように評価しておられますか。また、今後の方針について市としてどのようにお考えなのか、お伺いいたします。 次に、志段味地区における市バス路線の整備についてお伺いをいたします。 志段味地区においては、居住、研究開発、商業などの機能が調和した
志段味ヒューマン・サイエンス・タウンの建設を目指し、自然環境や歴史・文化資源に配慮しながら
土地区画整理事業が進められているところでございます。
土地区画整理事業の進捗状況について、平成18年度末の進捗率を見ると、下志段味地区では約9割、上志段味地区では5割を超えているところまで達しており、両地区では仮換地指定され、保留地の処分も始まっているところでございます。このため、志段味地区の人口増加率も非常に高く、過去5年間の市全体の伸び率が2.3%であるのに比べて、志段味地区では約4,200人が増加しており、24.1%という高い伸び率を示しています。 このように、年々着実に発展を続けている志段味地区ですが、公共交通の整備という面から見ると、決して十分とは言えません。志段味地区においては、平成13年の
ガイドウェイバスの運行開始に伴い、市バスが中志段味まで来るようになりましたが、中志段味より先の地区では今も民間バスの路線しかなく、市バスの路線がない状況が続いています。 民間バスの路線については、名鉄バスはゆとりーとラインの大曽根駅と高蔵寺駅を結ぶのみであり、また、JR東海バスは同じく大曽根駅と瀬戸みずの坂を結ぶのみであることから、限定的な移動手段でしかありません。志段味地区の住民が、区役所、保健所、文化小劇場など公共施設がある守山区の玄関口とも言える小幡へ行く機会は多くあります。しかし、現在では民間バスと市バスを乗り継ぐ必要があり、料金の負担も大きなものとなります。また、中志段味からは市バスで地下鉄藤が丘駅まで行くことができますが、上志段味地区の住民が藤が丘駅に出るためには、やはり民間バスと市バスを乗り継ぐことが必要となります。こうしたことから、志段味地区においては、市バス路線の整備について切実な声が寄せられているところでございます。 今後、志段味地区においては、
土地区画整理事業の進捗により、さらに人口がふえることが予想されますが、志段味地区における市バス路線の整備についてどのように考えておられますか、交通局長にお伺いをいたします。 もう一つ、JR新守山駅を初めとした駅舎の
バリアフリー化について質問をいたします。 駅は地域の人々が移動するための重要な拠点であることから、高齢者や障害者を初め、だれでも利用しやすいように
バリアフリー化されていることが必要であると考えます。昨年12月に施行された
バリアフリー法において、その基本方針の中で、原則、平成22年までに1日当たりの利用者数が5,000人以上の鉄道駅についてエレベーターの設置等を行い、
バリアフリー化することとされております。 鉄道駅については、これまで順次
バリアフリー化が進んでいると認識していますが、JRの新守山駅のようにエレベーターやエスカレーター、また障害者用のトイレもなく、いまだ
バリアフリー化が行われていない駅舎もございます。JR新守山駅では、1日の利用者数が約1万5000人と聞いており、高齢者や障害者を初めとする多くの市民が利用し、
バリアフリー化の必要性も高いと思います。また、市民から
バリアフリー化の強い要望もあります。 そこで、JR新守山駅の今後の
バリアフリー化の取り組みについて、健康福祉局長にお尋ねをいたします。 以上、第1回目の質問を終わらせていただきます。(拍手)
◎
子ども青少年局長(佐合広利君) 中学・高校生の
障害児放課後支援につきましてお尋ねをいただきました。 本市では、障害のある中学生や高校生につきましては、下校後や夏休みなどの長期休業期間に社会適応訓練や余暇活動の場を提供し、その健全な育成を図るため、中学・高校生の
障害児放課後支援事業を行っております。 これは、市内に4カ所ありますいこいの家において、平成17年9月からモデル事業として実施をしているものでございます。実施箇所数が少ないため、利用のしやすさに地域的な偏りがあること、また、利用定員が十分とは言えないため、実際に利用できる方が限られていることなどが課題となっております。 今後の予定ですが、本市は平成19年3月に名古屋市障害福祉計画を策定いたしました。この中で、障害のある中学生や高校生を初め小学生も対象として、放課後支援の充実を図るため、
障害児デイケア事業を掲げたところでございます。当面は、現在実施をしております中学・高校生の
障害児放課後支援事業の拡大を図りつつ、
障害児デイケア事業への移行に向けまして、広く民間事業者の参入を促進し、実施箇所数をふやしていく必要があるというふうに認識をしております。 この事業に取り組むことにより、身近な地域において、より多くのお子さんが利用しやすいものとなるように努力をしてまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。 以上でございます。
◎交通局長(吉井信雄君) 志段味地区における市バス路線の整備につきましてお尋ねをいただきました。 志段味地区のバス路線につきましては、
ガイドウェイバス導入以前は、名鉄バス、JR東海バスが対
キロ区間制料金制度のもとで運行しておりまして、市バスは名鉄バス、JR東海バスと競合しない一部の路線でのみ運行をしておりました。その後、議員御指摘のとおり、
ガイドウェイバス導入に伴いまして、交通局が新たに小幡緑地から中志段味までの運行を開始しまして、中志段味までは3社の共同運行とするとともに、中志段味以遠につきましては、従来
どおり名鉄バス、JR東海バスが運行をすることとなりました。 志段味地区は市街地形成の整備途上であるため、需要が少ないことやバスが運行できる道路が限られているほか、もともと
民間バス事業者が運行をしていたことから料金制度が異なるなど、市バス路線を新設するためにはさまざまな解決すべき課題がございます。志段味地区における市バス路線の新設は、これらの諸課題の解決を図りつつ、
ガイドウェイバス全体の枠組みも踏まえながら整理をしていくべき課題であると認識しておりますので、御理解を賜りたいと存じます。 以上です。
◎健康福祉局長(長谷川弘之君) JR新守山駅の
バリアフリー化についてお尋ねをいただきました。 鉄道駅等の
バリアフリー化につきましては、平成18年12月に施行されました高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律、いわゆる
バリアフリー法に基づき、1日当たりの利用者数が5,000人以上の駅舎について、平成22年度までにエレベーターの設置等を行い
バリアフリー化することとされております。 本市におきましても、名古屋新世紀計画2010第3次実施計画において、平成22年度までに、1日当たり5,000人以上の民間鉄道駅舎について、鉄道事業者が整備するエレベーターの設置経費の一部を補助することにより、車いすルートの確保を図り、
バリアフリー化することとしております。 対象となる市内の民間鉄道駅舎35駅のうち、平成18年度までに26駅の
バリアフリー化を終えており、今年度は、JR大高駅、名鉄栄町駅及び山王駅の3駅の整備を予定しているところでございます。議員御指摘の新守山駅を含む6駅について、今後
バリアフリー化を図る必要があると考えております。 新守山駅につきましては、駅周辺の整備計画との整合性、あるいは事業者の意向等を踏まえ、今後、関係局との調整を進めてまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。
◆(東郷哲也君) 御答弁ありがとうございました。 まず、中学・高校生の
障害児放課後支援についてでありますが、前向きな御答弁をいただきありがとうございました。今後、実施に当たってはさまざまな課題があると思われますが、実施時期や箇所など、
具体的数値目標を示していくべきではないかと思います。また、私は今回現場の声を直接聞いて、切実な状況を感じました。こうした障害を持った方の放課後の過ごし方について、行政としてしっかり取り組んでいただくよう強く要望をいたします。 次に、志段味地区のバス路線についてでありますが、現状ではなかなかよいお答えがいただけませんが、区画整理とあわせて今後まちづくりを進めていただきたいと存じます。鶏か卵かの議論になりますが、需要がないからできないとのことではなかなか進展しないのではないでしょうか。まず、交通インフラをしっかりと整備することで、魅力のあるまちづくり、人が集まる拠点ができるのではないかと考えます。特に、上志段味地区が中志段味地区に先行して区画整理の進捗状況が進んでいることから、この地域の人々の足を早期に確保していくことを強く要望いたします。 三つ目のJR新守山
バリアフリー化についてでありますが、
民間鉄道事業者の問題ではありますが、公共性の高い鉄道駅でもあり、利用乗降客数も約1万5000人と際立って多いことから、早期の実現を要望して質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。(拍手)
○議長(梅村邦子君) 次に、橋本ひろきさんにお許しいたします。 〔橋本ひろき君登壇〕
◆(橋本ひろき君) おはようございます。お許しをいただきましたので、通告に従い順次質問をさせていただきますが、今回が初めての登壇でございますので、まず一言ごあいさつを申し上げます。 私は、さきの統一地方選挙で南区選挙区から初当選をさせていただきました民主党の橋本ひろきと申します。過去16年にわたり、父、橋本静友が本議会にて、先輩議員の皆様、そして市長さんや副市長さん、さらには各局の局長さんを初めとする当局の皆様方に温かい御指導を賜りましたことを御礼申し上げますとともに、引き続き同様に御指導賜りますようお願いを申し上げます。 それでは、質問に移ります。 初めに、元気いっぱいなごやっ子の育成について教育長にお伺いをいたします。 子供の体力が低下傾向に転じてから約20年たつと言われており、一向に回復の兆しが見えない状況であります。私が今27歳、間もなく28歳になりますので、我々の世代が子供のころから、子供の体力というのは低下の一途をたどっているという状況であります。全国的に子供の体力が低下している中で、本市の児童の運動能力は、その低下している全国平均をさらに下回っているそうであります。 この原因といたしましては、昔の子供に比べ、子供たちは、体育の授業や部活動を別にすると、通学路を登校・下校時に歩く程度で、跳んだり、投げたり、走ったり、重いものを持ったりするような暮らしの中での運動は、ごく限られたときにしか体験することがなくなってしまったことが考えられます。 私は少年時代から長く野球をやってまいりました。高校時代には、
中京大中京高校から春の選抜甲子園で準優勝した経験もございますので、スポーツ、特に体を動かすということの大切さは身をもって感じておりますが、スポーツの効用というのは体力の向上だけではありません。ルールを学び、フェアプレーを重んじ、ルールを守る規範意識の向上、そして、ルールの範囲の中でベストを尽くすパフォーマンスの向上。さらには、集団競技の中でチームワークを学び、協調性を高め、相手を思いやる精神を養い、助け合うことの必要性を肌で感じる。さらには、あいさつ、礼儀を学び、相手に敬意を払うことも覚えます。集団競技においては、チームの仲間と同じ一つの目標に向かっていくことで、生涯かけがえのない友人をつくることもできます。 体力の向上という面でいえば、走る、跳ぶ、投げるといった能力もそうですが、さまざまな力をバランスよくコントロールする力、危険を回避する力、みずからを防御する力を備えることにもつながりますし、生涯スポーツの基礎を築くことによって、将来にわたって長く健康を維持することにもつながります。 地域に戻りますと、高齢者の方が早朝から体操をしたり、ウオーキングをしたり、はたまたソフトボールや
グラウンドゴルフで元気に活動する姿が見られますが、これは、子供のころから身体能力を高め、かなりのピークを体験しているからこそ、体力の低下曲線を維持できているものだと考えております。 このように、スポーツにはさまざまな効用があり、子供の体力の低下は、将来の名古屋を担う世代にとって深刻な問題であると考えますが、学力の低下に比べると体力の低下には余り対策が講じられていないように思います。 本市においては、これらの対策として、平成16年度から元気いっぱいなごやっ子の育成事業として、
体力アップ推進校というものを実践されております。これは小中学校を対象に、平成16年度は計13校、平成17年度は計14校を
体力アップ推進校に指定し、各小学校、中学校の中でテーマを決めて、業前、いわゆる朝の授業が始まる前の時間、そして業間--授業と授業の間の時間を使って体操や縄跳び、一輪車、竹馬などを使って体を動かすことの大切さやスポーツの楽しさを知ってもらう
きっかけづくりをしようというものです。 業前、業間というのは時間でいえばわずかなものですが、そこで1日数十分の運動をすることで、運動することの楽しさを知り、目標を達成することの喜びを知った児童は学校外でも運動をするようになり、それが結果として体力の向上につながっていくものであります。 本市のこの取り組みは大変すばらしいものであると思いますし、このような事業が市内全校で自主的に行われるようになれば、本市の児童の体力は決して全国平均を下回るようなことはなくなるでしょうし、そこでスポーツの楽しみに触れた児童の中から、将来
プロスポーツ選手として活躍する選手が出てくることのきっかけにもなると考えます。 実際に幾つかの学校を訪問して現場を確認してまいりましたが、学校で新たに購入した30台の一輪車が、休み時間には足らなくなるほどの状況でございました。子供というのは、あるきっかけを与えるだけで、より楽しく運動するためにはどうしたらよいか、自分の体力を向上させるためにはどう取り組んだらよいのかということをみずから考えるようになり、結果として飛躍的に体力が向上するというのはよくあることでございます。 私が今回お伺いをしたいのは、この
体力アップ推進校の実践について、市がどのように考え、取り組んでおるのかということでございます。 実際に平成16年度から平成18年度にかけて行われた事業の結果を受けて、名古屋新世紀計画2010第3次実施計画の中で、平成19年度から平成22年度にかけても毎年10校ずつ、計40校を
体力アップ推進校として指定するそうですが、この毎年10校を指定するということの前提として、平成16年から行われているこの事業についての取り組み状況や成果、測定値の変化や問題点等を市がしっかりと把握し、総括、検証した上で進めておられるのかという点であります。 この毎年10校、4年で40校というものだけを見ると、余りにも事務的で簡略な計画のよう思います。現実として、3年間同じ学校で同じ事業を行うわけですから、当然さまざまな問題や改善すべき点が出てくるはずだと思います。実際に第3次実施計画が策定されたのは昨年の夏ごろだと思いますが、さまざまな資料から私が感じることは、この第3次実施計画として策定される前に市として問題の検証や改善などの総括が行われたとは考えにくいのですが、教育長さん、この点についてお聞かせください。 元気いっぱいなごやっ子の育成だと言っておきながら、実態はただ各学校に丸投げで、一律に予算--各学校一律30万円だそうですが、予算だけを出しておいて、後は教育委員会としてはノータッチというのでは、何のためのモデル事業だったのかわかりませんし、そのために尽力される現場の職員の先生方からすれば大変な迷惑であり、もっと言えば、それに振り回される子供たちがかわいそうでなりません。実際に現場の先生方の声を聞くと、それぞれに悩みや問題を抱えておられましたが、これを市はしっかりと把握できているのでしょうか。 先ほども申しましたが、事業自体は非常にすばらしいものだと考えておりますので、これをよりよいものにしていくために、市としては一人一人の子供たちのことを真剣に考え、将来の名古屋を担っていく我々の宝のために最善を尽くしていただきたいと願っております。 次に、市立学校の部活動についてお尋ねいたします。 まず、高等学校の部活動指導業務手当について、同じく教育長さんにお尋ねをいたします。 市立高校の教員、幼稚園の職員については、本市の予算の中から給与が支払われているのは御承知のとおりでございます。そして、給与とは別にさまざまな手当が各教員に支払われています。校長や教頭に支払われる管理職手当や、災害時、緊急時などの出勤に対して支払われる手当、さらには、修学旅行の引率に対して支払われる手当や部活動の指導に対して支払われる手当など、本来の校務や教育指導とは別の業務に対して支払われているものでありますが、この手当が現実に即しているのかという点であります。 例えば、部活動の指導業務手当ですが、資料を見ると、1日8時間程度指導をしても、もらえる手当は1,200円という規定になっています。 市立高校の部活動といえば、平成8年度に全国優勝を果たした西陵高校のラグビー部を初めとして名東高校のサッカー部、桜台高校のハンドボール部など、多くの部活動が全国大会に出場しています。最近では、平成18年度に西陵高校の女子ビーチバレーが全国優勝をなし遂げました。そして、全国大会には出られなくとも、多くの市立高校生が部活動に若い情熱をぶつけています。 中学生の中には、そんな市立高校の部活動にあこがれて入学してくる生徒もたくさんいると聞いています。それにこたえて部員たちの夢をかなえようと、週休日を返上して頑張る先生方もまたたくさんおられるわけです。 その部活動に従事する先生方が、週休日の、例えば真夏の炎天下に8時間あるいは10時間、朝から晩まで汗を流して一生懸命指導しても、1,200円しかもらえないというこの現状はどうでしょうか。 部活動に熱心な先生方からすると、手当が上がったからといって、今まで手抜きをしていたものに対して急に熱心になるというものでもないのでしょうが、例えば、高校生がアルバイトをしても1時間700円ぐらいはもらえるような時代にあって、もっと言えば、顧問の先生の指導の補助、アシスタントをする部活動外部指導者派遣事業として指導に当たる先生には1回当たり4,000円が支払われている状況で、その上に立つ責任ある立場の顧問の先生が1日1,200円、時間で割れば1時間当たり100円や200円というのは余りにも酷なのではないでしょうか。 私の身近でも、熱心に部活動の指導をする教員の方が何人かいますが、校務に追われ、授業に追われ、生徒指導に追われる中で、それでも自分の時間を目いっぱい削りながら部活動の指導に精を出している先生がおられます。大変に頭が下がる思いですし、生徒やその保護者からも厚い信頼を得ているようです。逆に、校務をこなすのが精いっぱいで、部活動の顧問とは名ばかりになってしまっている先生もおられます。指導能力も実績もある先生がいて、その先生が部の顧問をしているにもかかわらず、その先生が熱意を失ってしまっているがゆえに指導してもらえない。もっと言えば、顧問の先生の熱意一つによって、土曜日、日曜日の部活動が休みになってしまうような状況があるわけです。 生徒はやる気があっても、顧問の先生があすは休みだと決めてしまえば、生徒たちは活動することができないわけですから、やる気のある生徒たちからすると、大変に不幸な話であります。これは何も給与や手当だけが原因ではないと思っておりますが、この真夏の炎天下に朝から晩まで指導して1,200円かと思うと、あすは練習を休みにしようかななどという考えが起こらなくもないと私は思うわけです。 自分自身の経験も踏まえて申し上げますが、部活動、特に競技スポーツにおいて能力の向上や成果というものは、個人のもともとの素質や身体能力、本人の努力に左右される部分があることは間違いありませんが、それと同じくらい、いい指導者に出会えるかどうかという要素が非常に大きなウエートを占めるものと考えます。 部活動ばかりが教育ではありませんが、全国大会への出場や大会で優秀な成績をおさめることができればもちろんのこと、よい結果が出なくとも、そして何も運動部に限らず、美術部や吹奏楽部など文化部においても、学生時代の部活動で体験したことというのは、多くの方が後の思い出としてよくも悪くも残っていくものです。この将来にわたって残る思い出ができるだけ多くの生徒によい思い出として残っていくためには、それぞれの部活指導に当たる先生方の情熱というのが欠かせない要素であると私は考えます。その先生方の情熱に影響を与えるのが手当だけではないと思いますが、手当の面も含めて、部活指導に当たる先生が熱意を持って取り組んでいただけるような環境を整えていただきたいと願います。 この1日1,200円というのは、他都市における部活動指導手当の中でも最も低い額でありますし、今年度から増額をした都市もあるというふうに聞いております。本市においても市立高校に通う部活動に取り組む生徒を指導する先生方の部活動指導業務手当の増額に向けた検討をしていただきたいと思いますが、この点について教育長さんのお考えをお聞かせいただきたいと思います。 そして、昨今部活動については、教員の負担を減らすために、部活動外部指導派遣事業や部活動顧問派遣事業という制度を利用したり、学校外におけるクラブチーム等の社会体育への移行も含めた検討が行われていますが、私の個人的な思いとしては、やはり学校内で行われる部活動でしか体験できないことが多々あると思っています。特に小学校、中学校の部活動というのは、同じ地域で暮らし、同じ校舎の中で共同生活を送る仲間と同じ種目で、ともに高めあいながら一つの目標に向かっていく。この中で得る体験やここで築く人間関係というのは、恐らくクラブチームで学ぶことは難しいと思いますし、教える先生の側からしても、校内での日常生活から目の届く場所にいることで、技術的指導に限らず広く生活指導に携わる中で生まれる信頼関係もあると思います。 また、クラブチームに任せてしまっては、カバーできる種目とそうでない種目とに大きな差が生まれてしまうようにも思いますし、金銭的な問題や交通手段等から、チームに参加できない生徒も出てくるのではないでしょうか。 その上で、先日の民主党、日比議員の質問と重なる部分があるかもしれませんが、名古屋市としての今後の部活動のあり方や位置づけについて、教育長のお考えをお聞かせいただきたいと存じます。 これで、1回目の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 〔「議長、議事進行」と呼ぶ者あり〕
○議長(梅村邦子君) さとう議員。
◆(さとう典生君) ただいまの橋本ひろき議員の発言中に、手抜きをしている先生が、手当をもらった途端にそれができるのかと、このような発言がありましたけど、これはやっぱり不穏当であり不適切な表現だと思いますので、議長で精査の上、議事録から削除を求めます。
○議長(梅村邦子君) 御指摘がありましたけれども、質問の流れの中の言葉だと思います。でも、せっかくの御指摘ですので、もう一度精査いたしますけれども、今のところ議長としては問題ない、そういうふうに判断いたしました。
◎教育長(岡田大君) 教育委員会に数点のお尋ねをいただきました。 まず、元気いっぱいなごやっ子の育成についてでございます。 子供の体力は、昭和60年と平成17年とを比較した場合、例えば6年生ソフトボール投げでは、男子本市平均距離が32.6メーターから28.4メーターに4.2メーターの低下。また、女子平均も20.7メーターから17.4メーターに3.3メーターの低下をしており、全国的にも同様な傾向がございます。 このような体力の低下は、夜型やテレビゲームの流行などによる子供のライフスタイルの変化や、運動を行うために不可欠な時間、空間、仲間、いわゆる3間の減少が要因となっております。そのため平成16年度から、運動好きな子供の育成と体力向上を目的とした元気いっぱいなごやっ子の育成事業を実施しているところでございます。 この事業推進校では、朝の授業前に全校で一斉にストレッチ体操や駆け足を行ったり、放課に一輪車や竹馬、ボール運動などに取り組み、子供の体力向上を図っております。また、指導主事も推進校を訪問いたしまして、異学年交流での活動の勧めや運動量を多くする方法など、効果的な実践方法について指導、助言を行っているところでございます。 平成16年度の小学校推進校12校では、子供の1日の平均運動時間が38分から80分に増加した学校や、放課に運動する子供の割合が35%から65%に伸びた学校もございました。こうした取り組みから、12校全体で、ボール投げ、立ち幅跳び、上体起こしが全国平均を上回り、その他の種目も本市平均を上回る成果がございました。 このことから、この事業が体力アップに大変有意義であり、引き続き実施する一方、朝の運動集会を行う場合、各学校では朝の読書活動や朝の学習も行われており、その時間を確保することや運動意欲向上に関する把握方法の工夫など課題もございます。今後は、新たに推進校間の情報交換会の開催や実践事例集を作成するなど、全校の体力向上につなげてまいりたいと考えております。 次に、高等学校の部活動指導業務手当についてでございますが、高等学校における部活動は生徒が自主的、自発的に参加するものであり、個性や自主性を伸ばし、社会性を身につけるなど、生徒の健全な育成に大変意義がある活動でございます。名古屋市立高等学校での部活動に参加する生徒の割合は全生徒の約8割に及び、日々生き生きと取り組んでいるところでございます。また、高等学校ではほとんどの教員が部活動を担当し、生徒の自主性を重んじながら指導しており、議員御指摘のように、教員が生徒のために週休日などにも熱心に指導に当たっているところでございます。 このように、週休日等に部活動の指導に従事した場合には部活動指導業務手当を支給しており、支給額は国に準拠し、1日当たり1,200円と定めているところでございます。 議員御指摘の高等学校における部活動指導業務手当の見直しにつきましては、この3月に中央教育審議会から、部活動の顧問を担当する教員の勤務時間は担当しない教員に比べて多くなっており、部活動を通じた教育指導を行う教員を処遇するため、部活動手当の充実を検討することが必要であるといった答申も出されており、本市における学校の実態に見合った手当となるよう今後検討してまいりたいと考えております。 最後に、部活動に対する名古屋市の考え方でございます。 部活動は、スポーツ、文化、科学、芸術等の楽しさや喜びを味わい、学校生活を豊かにするものであり、生涯スポーツ、生涯学習の基礎を培う上で大きな役割を果たしております。現在、部活動は学校教育活動の一環として、各学校が子供たちの希望や学校運営への影響、安全な活動場所の確保などを総合的に勘案し、実施しております。 しかし、学校では、少子化に伴う教員の減少や指導者の質・量、学校教育活動との兼ね合い、教員の勤務条件や勤務時間など、幾つかの解決すべき課題があることから、部活動の円滑な実施が厳しい状況でございます。そのため、子供たちの希望を少しでもかなえることができるよう、当面の支援策として、部活動顧問派遣事業や外部指導者派遣事業により対応しているところでございます。 教育委員会といたしましては、引き続き部活動顧問派遣事業を実施するとともに、外部指導者派遣事業の拡充にも努めてまいりたいと存じております。あわせまして、地域ジュニアスポーツクラブや、サッカー、野球のクラブチームなど、子供たちがスポーツに取り組むことができる環境づくりの検討もしてまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。
◆(橋本ひろき君) 御答弁ありがとうございました。 まず、
体力アップ推進校についてですが、20年も続けて体力が低下し続けているこの状況を考えていただきたいと思います。ことしの子供よりも来年の子供、その来年の子供よりも再来年の子供のほうが体力がずっと低下していく、これがあと10年、20年と続いていってしまうようでは、その子供たちが働く世代、高齢者を支える世代になったときに、それを支える力さえなくなってしまうかもしれません。 元気だ元気だと言われる名古屋を持続そしてさらに加速していくために、まずは元気な名古屋の未来を担う子供たちが元気であること、活発であることが大前提だと私は思っております。その意味で、子供たちの体力の低下を深刻にとらえていただき、学力の低下と同様にとまでは申しませんが、市としてしっかりとした対策を講じていただきますようお願いを申し上げます。 次に、部活動の指導業務手当についてでございますが、非常に前向きなお答えをいただいたというふうに認識しております。ただ、中央教育審議会が答申を出したからというのではなく、名古屋市の現状として、必要だから上げるんだという強い姿勢を持っていただき、現在の1,200円から100円や200円上げるというのではなく、外部指導者が1回4,000円をもらっているということを念頭に、ぜひとも早急に対応していただきますよう要望いたします。 また、部活動のあり方についてですが、部活動顧問派遣事業や外部指導者派遣事業を拡充していく、場合によってはジュニアスポーツクラブやクラブチームなどとも連携して、子供たちがスポーツに取り組める環境づくりを進めていくというのはよく理解できますが、私は、あくまでも基本は校内の教員の先生が指導していただくというのを前提に、教員の先生ではどうしても対応できない場合の例外として外部指導者や顧問派遣事業で対応するというような考え方であってほしいと願っております。 最近の傾向を見ておりますと、どうも原則と例外が逆転しつつあるような雰囲気を感じます。ただ単純に外部指導者をどんどんふやしていきさえすれば部活動が存続できる、また充実していくような雰囲気に思えますが、まずは顧問の先生についていただくというのを前提に、先生だけではすべての対応ができない場合に外部指導者に補助してもらう、また、どうしても顧問の先生がつくことができないときに顧問派遣事業を利用する、こういう形であってほしいと思います。 誤解のないように申し上げますが、私は、外部指導や顧問派遣をこれ以上ふやすなと言うのではありません。ただ、外部指導や顧問派遣はあくまでも一時的な措置であって、事の本質的な解決にはつながりません。外部指導者として専門の指導者がつくことにより、部活動の充実が図られるのは大変いいことでありますが、そういう制度があるならそれに全部任せてしまえばいいじゃないかというような考え方になっては困るわけです。 部活動というのは、先ほど教育長の答弁にもありましたように、重要な学校教育の一環なわけですから、技術的な指導だけができればよいというものではなく、広く生活指導の意味も含めて指導に当たっていただくのが私は重要だと思っております。あくまでも外部指導者、顧問派遣というのは例外なんだという認識のもとで、先生方に熱意を持って取り組んでいただけるような環境を整備していただきたいと思います。 そして、3点ともに共通することでございますが、さまざまな議論や検討をしていく上で、常に、その本質として、あくまでも子供のことを第一に考えて取り組んでいただきたいということでございます。これは、当局の皆様には釈迦に説法かもしれませんが、教育委員会のための教育ではなく、そして教員のための教育でもなく、子供たちのための教育なんだと。子供たちは私たち社会全体の宝であります。この宝を守っていくために、そして、より輝かせていくために、より一層の教育の充実に取り組んでいただきますことを、甚だ生意気ながら、切にお願い申し上げまして質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(梅村邦子君) 次に、小島七郎さんにお許しいたします。 〔小島七郎君登壇〕 〔議長退席、副議長着席〕
◆(小島七郎君) お許しを得ましたので、市長並びに市民経済局長に3項目質問をします。 第1項目は、「いのちはつながっている--「生物多様性」の市民へのアピールについて」です。 市長は、本年2月20日開会の定例会におきまして、重点テーマの第一に環境を挙げられました。「愛・地球博」のテーマ、「自然の叡智」の理念と成果を生かして、2010年、生物多様性条約第10回締約国会議、いわゆるCOP10の誘致に積極的に取り組むと言われました。 5月22日が国連の定めた国際生物多様性の日でした。6月13日は生物多様性条約第10回締約国会議誘致委員会の設立総会でした。 ところで、生物多様性って何でしょうか。何となく生き物に関する専門的な事柄かなというイメージがあります。そこで、私は生物多様性について考えました。そうなんです。私たちは、かけがえのない地球でさまざまな生物と共存しながら日々の生活を営んでおります。私はこの点に着目し、私たちの日常生活に生物多様性がどのようにかかわっているかを考えました。 つまり、私たちの日常生活は、こうしたさまざまな生物資源の恵みを受けて成り立っております。生物多様性こそ地球上のすべての種をつなぐ輪であり、現実的に、私たちはこの生物多様性と密接な関係を持っているのです。例えば、農業、酪農からは、米、野菜、肉などを。海、川などからは、魚、貝、エビなどを。また、動植物からは、絹、皮革製品、医薬品等々などに至るまで、私たちは多様な生物に支えられております。 一方、現在明らかにされているのは、生物種だけでも約175万種ございます。また、確認されていない生物も含めますと、3000万種とも4000万種とも言われております。ところが、20世紀に入りますと、これらの生物種が地球の歴史が始まって以来の早さで絶滅しているというデータがございます。 熱帯雨林の消滅速度と詳細な研究結果から種の消滅速度を算定したノーマン・マイヤーズ博士によりますと、恐竜時代においては1,000年に1種の絶滅速度であったものが、現在では何と1年に1万種前後の速さで絶滅していると言われております。このような、状況に至った原因の一つが、環境に負荷を与えてきたこれまでの私たちの日常生活、事業活動であると思われます。 私たちの衣食住を支えている生物種の絶滅がこうしたスピードで進めば、これまで当たり前のように送ってきた私たちの日常生活に大きな影響を与えると思います。私はそのことを大変危惧しています。まさに、1種の絶滅が生態系の崩壊につながる危険にさらされていると言わざるを得ません。 身近な問題ですけれども、例えば、ウナギの稚魚シラスが乱獲によって大変減っている、こういう状況です。このままでは、名古屋の名物ひつまぶしが食べられなくなるというふうな日が近いのかもしれないと思っています。このように、生物多様性は決して人ごとではなくて、私たち一人一人の身近な問題であると思います。 本市が2010年の生物多様性条約締約国会議、COP10の誘致を目指していくためには、生物多様性条約締約国会議において専門家の方々が集い、議論するだけではなくて、COP10の開催を契機として、市民の皆様が生物多様性の意義、重要性について学び、理解し、その保全のために主体的に行動していくことが大事ではないでしょうか。 そこで、市長に質問をします。今後、COP10の誘致に取り組んでいく中で、私たちの衣食住が多くの生物の命に支えられて成り立っているように、生物多様性が私たち一人一人の日常生活に密接にかかわっていることをどのように広く市民の皆様にアピールしていくか、市長の御所見をお伺いします。 2項目めは、市内16区への文化小劇場の建設整備についてです。 私がこれを取り上げた理由は、文化小劇場のない区の皆さんの要望が強いということです。例を挙げますと、昭和区に住む高齢者の方に聞きました。区内の各所にあるカラオケで勉強したことを発表するのに、きちんとしたステージのあるところで歌いたいといって、南区や天白区や千種区にある文化小劇場に行くそうです。私は、文化の薫り高い市民の皆さんのこうした声におこたえしたいと思っておりました。 そこで、現在まだ文化小劇場のない区は、中区、瑞穂区、昭和区の3区でございます。例えば昭和区におきましては、現在、川名公園を防災緑地緊急整備事業として、立ち退きと同時に暫定整備が進められております。平成22年度にすべてが立ち退き、防災公園として整備が完了する予定ですが、その後の対策として、ここに文化小劇場を建設できないか、市民経済局長にお聞きします。 3項目めは市内262学区へのコミュニティセンターの整備についてです。 コミセンについては、私は平成5年9月議会で、公共施設との併設、合築などを含めて、市内全小学校区に建設整備するよう当局の考えをお伺いしました。その後、着々と推し進められて、現状では、準コミュニティセンター、地域センター、愛知県のふれあい広場などを合わせますと、248学区、整備率94.7%になりました。残り14学区でございます。 そこで、私は市民経済局長に質問します。未整備学区への取り組み状況と、市有地が確保できた場合の早期整備への対応はどうなっているのか。また、愛知県のふれあい広場が7学区にあり、この広場があるために、コミュニティセンターの整備がストップしております。このふれあい広場もあと3年ほどで閉鎖になると聞いております。この場合、コミュニティセンターの建設整備が間に合うのか、あわせてお尋ねします。 以上で、第1回目の質問を終わります。(拍手)
◎市長(松原武久君) 生物多様性に関しまして市民へのアピールはと、こういうお尋ねをいただきました。 議員御指摘のように、地球上の生物種の絶滅速度は速まっていることは私も大変危機感を抱いております。今年の年頭の辞の中でも私は触れたつもりでございますが、今、15分に1種のスピードで種が絶滅をしていると、こんなふうに言われております。 しかし、大都市であります本市にも実は数多くの生物が生息をいたしております。例えば、コケ類などを除いた植物の種類数を自然が豊かであると言われております山間部と比較してみますと、例えば、鳳来寺山、あるいはブッポウソウで有名な新城市の鳳来地区--ここは大体名古屋市の面積の8割ぐらいであるわけでございますが、そこには約1,500種が生育をいたしております。本市にも約1,000種ぐらいが生育をいたしております。 このように、大都会で自然が非常に少ないと思われている名古屋でございますけれども、実はたくさんの生物がいるわけでございます。こうしたことを市民の皆さんにも十分知っていただきまして、生物多様性の保全のためにできることを実践していただきたいと、こんなふうに思っております。 例えば、なごや環境大学では、市民参加による池干し調査、池干しといいますのは我々が子供のころにはかいぼりと呼んでおりましたが、これをこの秋に企画いたしております。ため池に集う生き物の調査を通じまして生物多様性について学び合いたい、こんなふうに思っております。 さらに、矢野きよ実さんを初め国際生物多様性の日のトークショーに出演していただいた方々にも御協力いただきながら、だれでも参加でき、生物多様性に配慮した行動を実践することのできるなごやCOP10サポータークラブのような仕組みをつくってまいりたい、こんなふうに思っておるところでございます。こういった取り組みを通しまして、いわばエコライフ宣言の生物多様性版、こんなようなものができればいいというふうに思っております。 やはり具体的な行動を促すことを通してCOP10に向けた市民の機運の盛り上げを図ってまいりたい、こんなふうに思っておるところでございます。
◎市民経済局長(長谷川博樹君) 市民経済局関係で2項目のお尋ねをいただきました。 まず、市内16区への文化小劇場の建設整備についてでございます。 文化小劇場につきましては、市民の方の身近な舞台発表の場として、また、地域の文化振興の核となる施設として整備を進めてまいりまして、現在13館開館いたしております。 議員御指摘の昭和区につきましては、新世紀計画2010第3次実施計画におきまして、文化小劇場の設置の検討を掲げているところでございまして、現在、その建設候補地や施設内容につきまして検討を進めているところでございます。 次に、市内262学区へのコミュニティセンター建設整備についてでございます。 コミュニティセンターは、心の豊かさと触れ合いのある地域社会の形成を目指し、地域住民の連帯とコミュニティー活動の推進を図るため、学習、集会等多目的な利用に供する施設といたしまして整備を進めております。地域の皆様の会合や各種余暇活動の場として、また、地域福祉活動や防災、防犯などの市民活動の拠点として、さまざまに活用されているところでございます。 議員御指摘のように、現在14学区が未整備地区となっておりますが、コミュニティセンターの整備につきましては用地の確保が大きな課題でございます。学区の皆様の御要望の高まりにこたえることができますよう、市有地の有効活用など用地の確保に努め、早期に整備するよう取り組んでまいりたいと存じます。 また、愛知県ふれあい広場との関係でございますが、愛知県はあいち行革大綱2005におきまして、個々の地域の実情を勘案しながら、平成22年度をめどにできるものから順次廃止するとしているところでございます。愛知県ふれあい広場が廃止される場合には、地域のコミュニティー活動に支障の出ることがないよう、学区の皆様や愛知県と協議の上、廃止時期との調整を図りつつ、コミュニティセンターの早期の整備に努めてまいりたいと存じますので、御理解賜りたいと存じます。 以上でございます。
◆(小島七郎君) それぞれ答弁いただきました。 市長の、私の市民へのアピール、これはしかし市長、名古屋は結構生物種が多いんだね、多様性。1,000種もあると。僕は知らなかった。それで、こういうことは意外と知らないんです、みんな。この1,000種というのは、植物図鑑にも載るぐらいあるんです。ですから、そういうことをもっともっと皆さんに知っていただくということなんですよね。大事だと思います。 それと、その後言われた池干し調査--かいぼり。私は一度子供のころにやりました、池干し--かいぼりを。池の水を抜くといるんです、そこに。生物がいっぱいいる。おもしろいです。泥の中におる。そういうことを実際こうして考えられているということはいいと思いますね。いわゆる生物多様性。そして、市長のおっしゃったかいぼり、僕もやっていました、当時。同じですよね。こんなにおもしろいことがあるのかと思います、実際に。これを子供たちにたくさん参加してもらって、大人も子供も参加してもらって、おもしろいな、生物はこんなふうだと思ってもらいたいですね。 それと、なごやCOP10サポータークラブ、このクラブ、どういうクラブですか。矢野きよ実さんとの対談のところですか、この話が出たの。その辺のところ、ちょっと市長にお話を願いたいと思います。 以上です。
◎市長(松原武久君) 実は、生物多様性の日に矢野きよ実さんと話をいたしましたときに、生物多様性という言葉は難しいねと、もう少しわかりやすい言葉にならぬかねと、こういう話がございました。それで、それじゃ、サポータークラブをつくっていく中で、これをもう少しわかりやすい言葉でこなれたようにしていこうと、こういうことになりました。ただ、今私が生物多様性はこんなふうに解釈しておるというふうに言うと、またややこしいことになりますので、きょうは言えませんけれども、生物多様性という言葉は難しいというふうに思っています。それで、これをもっとこなれたものにしていこうと、こういう趣旨でサポータークラブをつくって活動をしていこうと、こういうことになったわけでございます。 そういう中では、エコライフ宣言のときに、例えば冷暖房温度を1度上げ下げするとか、あるいは暖房便座のふたを閉めるといったようなことをしました。生物多様性に関して20ぐらいの行動をしてもらったらいいなというようなことを、また一つ一つ御提示できれば、これは市民運動になっていくと、こんなふうに思っているところでございますので、御理解いただきたいと思います。